神仏

五輪塔の梵字と方位との関係

[神仏]五輪塔の梵字と方位との関係 ウェブサイト上に次のような質疑応答が載っていたので、メモしておく。 【質問】下記の記述は正しいか?1・四方に梵字を入れる場合は東西南北に決まった言葉をいれて四方からお参りできるようし、東から順にお参りする。 …

『ホキ内伝』の概要

[神仏]『ホキ内伝』の概要『国史文献解説 続』(昭和40年・朝倉書店)P161より抜粋 五巻。『ホキ内伝金烏玉兎集宣明暦経』とも。 内題には『三国相伝陰陽輨轄ホキ内伝金烏玉兎集』 尾題には『三国相伝宣明暦註』とある。 作者については内題についで「天文司…

牛頭山・牛頭天王についての疑問(続々)

[神仏]牛頭山・牛頭天王についての疑問(続々)【A】『望月仏教大辞典』などで「牛頭山」の項を引くと、1.は于闐(ウテン)国=旧・新疆省和闐(新疆ウイグル自治区和田)=ホータンにある山。梵名gośīrşa(ゴーシールシャ)またはgośringa(瞿室食+夌伽…

天刑星に喰われる牛頭天王

[神仏]天刑星に喰われる牛頭天王 奈良国立博物館所蔵の『辟邪絵』には、疫神の部類である牛頭天王を鷲掴みにして喰い殺す天刑星(てんぎょうしょう、てんけいせい)の凄まじい姿が描かれている。 しかしその牛頭天王がのちに、辟邪神たる天刑星と習合し、疫…

牛頭山・牛頭天王についての疑問(続き)

[神仏]牛頭山・牛頭天王についての疑問(続き)「祇園祭 郭巨山公式ホームページ」>お祭りの概要>3.牛頭天王(ごずてんのう) の解説文は大体よくできているようだ(と私は思う)。 「摩羅耶山という牛の頭に似た山から出る栴檀(せんだん)が熱病に効く…

牛頭山・牛頭天王についての疑問

[神仏]牛頭山・牛頭天王についての疑問 <2008-04-23 [神仏]牛頭馬頭の梵名は?>http://d.hatena.ne.jp/heisai/20080423 の続きである。 真弓常忠『祇園信仰』(朱鷺書房・2000年)にこのように書かれている(番号は便宜上私が付した)。 1.祇園の神であ…

牛頭馬頭の梵名は?

[神仏]牛頭馬頭の梵名は? 仏教辞典などによると、・ 牛頭天王の梵名は、「瞿摩-掲唎婆耶-提婆囉惹」なのだそうだ。 もう少し分かり易く表記すれば、 ゴーマ グリーヴァャ デーヴァ・ラージャ一方、 ・ 馬頭観音の梵名は、「何耶掲梨婆」(Hayagriva)ハヤ …

御櫛宮略御縁記

[神仏]御櫛宮略御縁記 略 御 縁 記 夫愛敬は人の身の艶にして神社の荘厳も萬人の信を取らしめんが為なり 抑当社御櫛宮八品大明神と申し奉るは稲田姫の御神霊にして世に恵方歳徳神と祭奉るは此御神也 則八将神の御母神にして本朝貴賎男女の髪を結化粧身仕舞の…

天王寺七宮(メモ)

[神仏]天王寺七宮(メモ) 某氏旧蔵にかかる宝暦三・1753年の「天王寺村明細帳」に天王寺七宮(実際は八社)が次のように記されていた。(数字および※は筆者) 牛頭天王が 欽明・敏達・崇峻などの歴史上の天皇と同等の表記になっている。もっとも、「用明天…

大田南八幡宮の納経鉄塔

[神仏]大田南八幡宮の納経鉄塔 六十六部廻国行者が巡拝の際、法華経を収めるための、いわば郵便ポストのようなものが、石見国(島根県)大田(おおだ)市の「大田南八幡宮」に遺っている、ということを大阪城天守閣学芸員の北川央先生から教わったのは数年前…

六十六部廻国霊場一覧

[神仏]六十六部廻国霊場一覧 『塩尻』(天野信景)引く所の「宝永四年(1707)東武旭誉が板行せし一幅」によれば、六十六部の巡拝した霊場の一例は表の通りである。 ①但しここでは参詣順ではなく、五畿七道の国順に並べ替えた。 ②『塩尻』の明らかな誤字・脱…

『東成郡神社関係史料』発刊

[神仏]『東成郡神社関係史料』発刊 (大阪市史史料第69輯 大阪市史編纂所) 解 題 はじめに 「東成郡神社関係史料」と題した本輯には、【1】玉造稲荷神社旧社家・栗岡家文書 【2】玉造稲荷神社所蔵文書 【3】旧中浜村・白山神社所蔵文書 【4】旧本庄村・八王…

稀覯/密教図像の世界

/anonym/のフォルダを作って、<稀覯/密教図像の世界>のTOPページhttp://ikaino.com/anonym/index.htm以下を試作、①青龍権現 ②『両頭愛染法』 ③三面六臂辰狐王曼荼羅 の各ページへのリンクを張った。

『両頭六臂愛染王記』

10/14のブログ<「両頭愛染明王」の事などhttp://d.hatena.ne.jp/heisai/20061014>のつづき。高野山金剛峰寺所蔵の『両頭愛染曼荼羅』の解説。 (上図は村井市郎所蔵。部分) 密教図像研究家・村井市郎氏は、上掲儀軌(作法書)の道場観等を根拠として、次…

「両頭愛染明王」の事など

・10/9(月)〜10/11(水)日南会のツアー。 鵜戸神宮、拝殿は神式・本殿は仏式とのガイドさんの説明に、よく見てみると、なるほど本殿側面に仏寺の形式の窓が付いている。何回も来ているが始めて気がついた。 ・10/12(木)仕事の合間に村井先生宅訪問。 村…

高津七家のこと

2006.3.31.高津正一郎氏より受贈。高津家墓地(圓成寺?)参詣。 自性院境内の墓地で高津木守の曾孫に当る人と偶然出会う。 上記のついでに、中央区・高津宮の宮座のお家のことを書き留めておく。 『高津家の歴史』(昭和50・1975年、高津彦次郎 著)という…

中濱の高津氏と四天王寺諸堂の鍵

中央区の高津宮の旧・宮座の家筋には高津七家と言う七軒のお家があった。 高津(こうづ、またはたかつ)などという名字は珍しくもないのかもしれないが、同じく中央区の森ノ宮・鵲森宮の祭司関係に「高津氏」の名前が出てくるとは意外だった。 一昨日のブロ…

青龍(せいりょう)権現の事

持物を整理していたら、以前M先生から頂いた『京古本や往来』第100号(「珍書稀覯画探求余聞」村井市郎 掲載号)が出てきた。整理が悪いために必要な時に必要なものがスッと出て来ないのが悩みである。そこで、折角これが姿を現した機会にメモをとっておく…

「手間天神社」の事

生野区巽南1丁目3の法蔵寺境内の石灯篭に、 (西面)手間社 (南面)獻燈 (東面)河秔澁川郡四條村 南耼原仙太郎 (北面)慶應三丁卯十一月 (台石・西面)大日本廻國 という刻銘が残されている。 また、旧官幣大社・生国魂神社旧蔵の『攝津國東生郡浪速総…

山頂不明の金鳥山に登る

きのうのブログで紹介した佐々木道雄氏の住まいは、神戸の本山町である。昨年の正月、佐々木氏のお宅へ遊びに行き、そのついでに近くの「金鳥山」に一緒に登った。昨年(2005)は酉年でもあり、そのエトに因む金鳥山に登ってみるのも面白かろう、と思ったの…

宮本伊織奉納の鰐口(泊大明神)

この短文は約十年ほど昔に書いた旧稿である。ある会の依頼で寄稿したものだが、その担当者は創刊号は出したものの、二号目の段階で原稿だけは集めておいて、あとは”尻食らい観音”で知らぬ顔。三号雑誌どころか一号だけで終わってしまった。世の中にはひどい…

『羅底曼惹哩』(ラティマンジャリー)の全訳・解説本を頂く

この本はインドの古性典であるが、過去のこのブログとの関連上、とりあえず[神仏]のカテゴリーに入れておく。 今日、阿能仁氏が忙しい中を拙宅に立ち寄られて、この貴重な著書をご恵贈下さった。今日はこれからまた別の研究の取材にでかける途中だ、とのこと…

サムハラ(続き)

桂米之助(故人)著『落語漫歩 大阪ふらり』(夏の書房、1983)に、こんな一文があった。以下はその抜粋。 サムハラ神 (大阪城内に)移転前の豊国神社には、境内の西側にサムハラ神社という小さな社が祀られていたが今は無い。どうなったのだろう。 江戸期…

持金剛仏のヤブユム像

S45.9.18読売新聞夕刊「読書」欄 ”紙つぶて”のコラムの抜粋。 ▼ 白浜温泉”歓喜神社”の隣の白浜美術館で、大阪の松原栄三郎が半生を費やした世界的コレクションによる「歓喜仏を中心としたラマ教の珍しい仏像仏画の展観」が開かれている。▼松原栄三郎が発行…

サムハラ

昨日の新聞に「アメフット日大前監督 篠竹幹夫氏」の死亡が報じられていた。 私はフットボールなどには全く関心がないが、ある事柄の関係で偶然この人のことを知っていた。”サムハラ”にかかわる事である。 この人の著書『汝 不死鳥たれ』(タッチダウン㈱、1…

大野晋『日本人の神』のメモ

わずか200ページ足らずの薄っぺらい文庫本だが、読み応えのある本だ。 ・ 古い語源説に出てくるカガミ(鏡)、カシコミ(畏)、かみ(上)、太陽のヒから転じたというミは、すべてmiの音である。 (橋本進吉博士の「上代特殊仮名遣」の研究以来、神(kamï)…

「ヤブユム双身像」と「双身歓喜天」との区別

密教文化・印度文化に関する研究家(1950年大阪大学卒業)である【阿能仁(あのう・じん)】氏の書かれた『白浜美術館ラマ教インド教像展の概説』の内容をちょっとメモしておきたい。その目次は次の通りである。1.密教の興起 2.タントラ仏教(後期インド…

弁天さんに関するメモ

先年、私は高野山へ行ったついでに、山内にある吉田書院を訪ねて、弁天さんの経本を購入した。(発売は同書院だが版元は不明。仮にY本と記す) 『仏説辨財天経』という。 このお経の名は、総称であって、実はいくつもの小経典に分かれている。① 仏説最勝護…