『ホキ内伝』の概要

[神仏]『ホキ内伝』の概要

国史文献解説 続』(昭和40年・朝倉書店)P161より抜粋

 五巻。『ホキ内伝金烏玉兎集宣明暦経』とも。
内題には『三国相伝陰陽輨轄ホキ内伝金烏玉兎集』
尾題には『三国相伝宣明暦註』とある。
 作者については内題についで「天文司郎安部博士吉備後胤清明朝臣 撰」(ただし仮託、室町初期のものと推測)。漢文。
 ホキ(竹甫皿・竹艮皿)とは神に供える黍・稷を盛る器で、ホは外方内円・キは外円内方のものである。

【巻一】中天竺の摩訶陀国王牛頭天王が南海の沙竭羅竜宮の三女頗梨采女を訪ね、途中で夜叉国巨旦大王の妨害にあったが、蘇民将来の助力によって結婚して八王子を生み、八王子と父とで夜叉国を平定。牛頭天王と八王子は天道神と八将軍である。・・・・・
【巻二】三千大千世界にひろがる盤牛大王は大日如来であり、五宮采女を妻として五帝竜王を生んだ。・・・・・
http://www2s.biglobe.ne.jp/~t-sato/index39.htmlを参照のこと。
【巻三】大歳神前後対位〜大赤小赤時など二四項
【巻四】先地判形〜上棟吉日など二〇項
【巻五】文殊宿曜経〜嘉辰縁会時など一四項

 巻一・二と巻三〜五とは別人の作、後に一つにまとめられたのであろう――とされる。