六人部七天神のこと

[神社]六人部七天神のこと
 福知山市の南部一帯(いにしえの六人部郷)では、「七天神」と称して神代紀に見える《天神七代・地神五代》のうちの天神七代を郷内各地区に分祀している。
 『丹波志』には麻呂子親王の創祀とあるが、伝承によると上代から中世にかけては、字堀の荒木神社(十二社権現)を六人部郷全体(郷外であるが字堀を含む)の産土神として奉斎したが、後世郷内各地区に分祀したという。
 そして、これらはすべて正後寺(しょうごじ)の後方に聳える天突山(あまんづくやま・標高334m)を中心として東西南北各方位に祀られたものらしいとされる。(『歌枕の地 生野の里』谷口守・平成一六・2004年)
 荒木神社京都府福知山市堀荒木山152-3に鎮座、旧丹波国天田郡延喜式内社の一。創祀年代は不詳。
 背後の荒木山を神奈備山とし、祭神は、天津神
 古くは「十二所権現」と称し、天神七代・地神五代を祀ったとする説や、素盞嗚尊を祀るとする説(『丹波志』)、建荒木神を祀るとする説(『豊岡県式内社記』)などがある。
 中古この山に真言宗の寺院を建立、当時三十か寺と伝えられる。
【由緒】貞觀元年 ( 859)5月列官社
    長元9年 (1036)後朱雀天皇即位大嘗会の神遊歌に記載
    寿永元年 (1182)安徳天皇即位の神樂歌に記載
    永禄元年(1558)兵火で焼失 寛文9年(1669)造営 延宝8年(1680)造営
【参考】福知山城主松平忠房領内の五社(荒木神社、堀の一宮神社、今安の天照玉命神社、中村の庵我社、前田の愛宕神社)を選定し、「五社参り」として領民に巡拝させたという。
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 【六人部七天神一覧】  
1 天神神社
(てんじんじんじゃ)
620 京都府福知山市多保市上野1100
丹波国 天田郡    福知山支部 15011
【祭神】國常立尊
[神事名]笹ばやし
http://www2.nkansai.ne.jp/users/atsumi/nougaki.htm
多保市村(近世)
当村の天神は,六人部郷七天神の一ノ社とされ,国常立尊を祀る。
後世天満宮とし,菅原道真を祀っている(丹波志)。同社の祭礼は俗に「笹ばやし」と呼ばれる特異な神事である。江戸期当村は福知山藩領内を通る京街道の東端に位置したため,貴人送迎や罪人追放 ...

2 天神神社(てんじんじんしゃ)
京都府福知山市三和町(細見)草山
丹波国 天田郡    《神社庁非加入か》
【祭神】国狭槌尊
【参考】草山公民館
住所 〒620-1435 京都府福知山市三和町草山531−1
電話番号 0773-58-2192

3 天神神社(てんじんじんしゃ)
620-11 京都府福知山市(中六人部)大内2030
丹波国 天田郡    福知山支部 15103
【祭神】豐斟野尊
http://blog.goo.ne.jp/tanbakawa/e/a1416249e6cabbd8523575ba68c043c5

4 天神社(てんじんじゃ)
620 京都府福知山市 中六人部 田野1285
丹波国 天田郡    福知山支部 15104
【祭神】宇比地迩尊 寸比地迩尊
【例祭】10月10日 例大祭

5 天神社(てんじんじゃ)
620-11 京都府福知山市(上六人部)生野宮ノ腰3
丹波国 天田郡    福知山支部 15099
【祭神】大戸之道尊 大苫邊尊
【例祭】10月10日 例大祭

6 天神神社(てんじんじんじゃ)
620 京都府福知山市(下六人部)岩間下戸885
丹波国 天田郡    福知山支部 15010
【祭神】面足尊 惶根尊
新暦 11月 23日 1日間 秋祭 [通称]宮講
岩間村(近世)
神社に,六人部七天神のうち,六ノ社と乙ノ社と称する七ノ社(明治期合祀)がある。
丹波志」 は村古老の口伝として,「往古ハ挙テ三俣ノ御幣社ヲ産神トス 中古村別ニ斎奉レルナリ」と記す。
寺院に雲覚和尚開山,元和五年建立の曹洞宗福知山久昌寺末安居山高浄寺がある。

7 天神神社→6に合祀
【祭神】伊弉諾尊伊弉冉尊


 この七天神は後世菅原道真を祀る天満宮と混同され、社殿の瓦・祭日の幔幕などに天満宮の社紋である梅鉢の紋が用いられるようになった。これには次のような言い伝えがある。
「もともと祀っていた天神七代の神々は、唐臼を使用することを大変忌み嫌われたが、さりとてこれを用いなくては米ができないので、困った氏子が誰言うともなく苦肉の策として菅公を祭神とし、天満宮と呼ぶようになったという」(前掲『歌枕の地 生野の里』)