大今里の【金鵄】、コンドルに非ず
[神仏]大今里の【金鵄】、コンドルに非ず
『暗越奈良街道ガイドブック2012』(読書館・2012年3月刊)P62に、
●謎のコンドル
「今里西之口公園にある石のコンドルのレリーフは、セメントで造られている。地元のお年寄りのお話では、昭和10年(1935)からこの付近にあったようだ。このレリーフのデザインは戦前の大軌鉄道のマークであり、百貨店に掲げてあったという説が有力である。何かの御縁でこの地に鎮座、少しくたびれている謎のコンドルである。」
しかし、筆者の考えではこれはコンドルではない。【金鵄】である。
コンドルは俗に”禿鷹”ともいうように、白い襟巻きをして頸や頭が剥げているのが特徴である。(こんな風に↓)
なお、このセメント像の胸の盾の中央の○の中のマーク(写真↓)は確かに大軌(大阪電気軌道=近鉄の前身)の社章である。
想像するに、紀元二六〇〇年・昭和15年前後の国家意識高揚の時代に、大軌がこれを作ってどこかに飾っていたのではなかろうか?
この公園の傍を通る暗越奈良街道には神武天皇通行伝説があり、「神路」(大今里・東今里・深江)「小路(本来、中小路=なかをじ)」(片江・大友・中川・腹見・大瀬)の地名の由来のもととなっている。
なお、もとの所有者である清水さんの談によれば、本物はもっと精巧なもので、これはその試作品のようなもの、とのこと。
因みにこの公園入り口付近に立つ古い石碑に「今里 西ノ口公園 昭和十七年十一月竣工」とある。
路線図は昭和5年当時のもの。
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▲宮崎市にある八紘一宇の基柱=現・平和の塔や、JFA(日本サッカー協会)のシンボルマーク「やたがらす」の作者である日名子実三の作品の1つ。日本ニュースのタイトル[金鵄]の彫刻の映像。
(*日名子 実三(ひなご じつぞう、1892年 - 1945年4月25日)
2013・11・19(木)
宇田正先生らと今里西之口公園の”金鵄像”を訪ねる。
秋晴れの大今里の公園の
大軌の石碑に はばたくは鵄
宇田 正