地名の由来の保存・継承?


 『大阪の町名―その歴史―』大阪市市民局・平成2年(1990.3.31)刊
 この冊子の”発刊に当って”を読むと、大阪市の住居表示の施行は、阿倍野区(昭和40年度)に始まって、中央区の一部地域実施(平成元年(1989))でほぼ全域完了。大阪市の誕生は明治22年(1889)であるから、平成元年(1989)は、ちょうど大阪市制100周年にあたる。それでこの冊子は「これを記念し、地域住民の方々に永年にわたって親しまれ、地域の歴史、伝統、文化にはぐくまれた町名の変遷、由来等について保存、継承するために発刊した」、とある。なるほど。
 市内の各所に建てられている「旧町名継承碑」は、平成五年に設置されているようであるから、この冊子の発刊と継承碑の設置とは連動したものなのであろう。
 しかし、地名の由来の保存・継承というのは、実に厄介だ。(厄介の理由はいろいろあるがここでは省略)地名をなるべく変えないことの方がより有効だと思うけれど・・・・・。
 町名を変更すると、これに付随して役所の各部署にいろんな仕事が発生する。その仕事を作るためにことさら頻繁に”町名改正”をしているのではないか???と勘ぐりたくなるほどの頻繁さである。

 ところで、㈱東京堂出版から「・・地名由来辞典」というのがシリーズで発刊されつつある。
『鎌倉の地名由来辞典』(2005.9刊)が最初で、京都、東京と順次刊行されているようだ。
『大阪の地名由来辞典』の発刊は・・・・・?。