十種祓詞(石上神宮)と十種大祓

[神仏]十種祓詞(石上神宮)と十種大祓(神道大祓全集など)


↑十種祓詞(石上神宮








↑十種大祓(神道大祓全集など)
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神奈備 様
 質問の事でお骨折り頂き深謝します。

1.長谷川昌亮様には、『神社祭式同行事作法解説(神社本庁編)』(7)「本庁の示す制定文」の文言をお示し頂きありがとうございます。

2.また、熊本県 日吉神社宮司・坂本道様には、神社本庁の神社祭祀規程の改正に伴って出された昭和31年6月・昭和51年5月版『神社本庁例文 祝詞、祓詞 及び祭詞』、また平成廿年改訂版『神社祭祀関係規程』などの書名をお示して頂いた上で、「本庁が定めた例文として 神職に祭祀の厳修を促しております」とのご教示を賜りありがとうございます。

3.私の質問、「神社本庁」で正式に定めた典型的な祝詞は何種類くらいあるのでしょうか? ――は、
祝詞の範例(例文)は何種類くらいあるのでしょうか?」と表現すべきでした。質問の言葉が不適切でした。
 ただ、T先生のご回答では、『十種祓詞』・『十種大祓』は延喜式には載せられていない後世のものだから祝詞としての価値がないと仰っているようなので、その点が少々気になりました。

4.もともと、今回の私の質問の動機は、石上神宮で唱えられる『十種祓詞』と市販の「神道大祓全集」などに収録されている『十種大祓』との異同に疑問を持ち、調べる内に添付画像のような、神社本庁発行の「行事次第」の存在を知ったことに由来します。この「行事次第」に載せられている『十種祓詞』は、神社本庁“認定”のもの、と解されます。

5.石上神宮の『十種祓詞』と、世上に流布している『十種大祓』とは、どちらかが正統でどちらかが正統でない、と一概に決められるものかどうか、一考を要することのように愚考しております。

【追伸】
 この【追伸】では、質問の焦点を下記に絞ります。

・私が問題にする、『十種祓詞』と『十種大祓』の大きな相違点は下記の通りです。

A.『十種祓詞』
河内国(かわちのくに)の河上(かわかみ)の哮峰(いかるがみね)に天降(あまくだ)り坐(ま)し給(たま)いしを
爾後(そののち)大和国山辺郡(やまとのくにのやまべのこおり)の布瑠(ふる)の高庭(たかにわ)なる
石上神宮(いそのかみのかみのみや)に遷(うつ)し鎮(しず)め斎(いつ)き奉(まつ)り

B.『十種大祓』
河内國河上の哮峰(いかるがみね)に天降座て、大和國排尾(きひの)山の麓 白庭(しらにわ)の高庭(たかにわ)に遷座(うつしましまして)鎭齋奉(いつきたてまつり)給まふ、號(なづ)けて石藭大藭(いそのかみおほんがみ)と申奉(まうしたてまつり)

※この文はネット上からコピペしましたが紙資料も同文です。紙資料としましては、

A:『石上神宮 神拝行事次第』(神社本庁)昭和29年初版―平成25年17版。
  「この神拝行事次第は、石上神宮に古くから伝わる鎮魂法を修得するために行う、神社本庁主催の
神道行法錬成研修会用として作成したものである」と注記されています。

B:・増補・神道大祓     平かな付 永田文昌堂刊 S10―H26 
・増補・神道大祓全集   平かな付 永田文昌堂刊 S12―H24
・神拝祝詞神道大祓全集 平かな付 大八木興文堂  S14―H23(大増補改訂版)
・磐船大神参拝詞(磐船神社神主・稲葉寛治郎編)  昭和初期
所載の『十種大祓』を参照していますが、すべて同文です。
ただ、本によって「排尾」に付されたルビは、きひ、ひき、ひび とまちまちです。

C:しかし、「排尾の山」は「鳥見山傳称地私考by乾健治氏」(http://kamnavi.jp/log/tomiyama.htm)〈要旨4〉の御説の通り、石上神宮付近の山中にある「桃尾」、すなわち「トビ」に他ならないと思われますので、「排尾の山の麓、白庭・・・」の文言は意外と古伝を伝えているのではないか、という気もします。
  これに対し、Aの石上神宮流の文言はどうも新しく改訂されたもののような感じがしてなりません。
  第一、「山辺の郡」は延喜時代には矛盾しないが神話の表現としては奇妙すぎるように思います。

【質問】上記A・B二つの祓詞の異同部分について、ご意見ご教示をお待ち致します。
質問者:平 斎