”一日姜氏”で出席

heisai2007-05-19


 ひょんなことから済州島出身の晋州姜(tinjyu-kan)氏(もっとも、姜氏の本貫は晋州と決まっているそうだが)の同族の親睦会にオブザーバーとして出席させて頂く巡り合わせになった。会名は”在日本大阪晋州姜氏済殷親族会”という。
 ことの端緒は、姜信英女史の記事が載った3月10日付読売新聞朝刊で、これを見られた姜一族のお一人が”姜シニョンさんを是非今年の親睦会のゲストに”という発案をされたのだという。同姓の中に「猪飼野探訪会」のような活動をしている女性がいるとは大変頼もしい、一族にとってよい刺激になる・・・というのが発案の理由だったようだ。
 そういうことで、同じ猪飼野探訪会から私と者奎通氏の二人もついでにご招待に預かることになった次第である。
 場所は上六ハイハイタウン3Fの中華料理店「杯杯」。案内状には6時から約1時間半と書かれてあったが、実際に散会したのは9時頃だった。いろんな人たちが次々とマイクを持って発言されたのも面白かったし、隣の席に坐られた名誉会長の姜聖凡氏からいろんなお話を伺うこともできて、私も時間の経つのをすっかり忘れていた。
 そして今日の何よりの収穫は、会長の姜聖久氏から『神農五千年』という貴重な本を頂いたことであった。(其刊行委員会=代表・姜云培=編、(財)斯文会発行、1995年)

 ※中国の、いわゆる「三皇五帝」の神名のリストは文献によって異なる。『史記・三皇本紀(=司馬貞 補撰)』による「三皇」は伏羲・女媧・神農の三神である。書によって天皇地皇人皇の三神とするもの等々いろいろとあるが、ややこしいのでここでは一応、
○ 天皇(てんこう)=伏羲
○ 地皇(ち こう)=女媧
○ 人皇(じんこう)=神農
と理解しておくことにする。
 そして『三皇本紀』に、「炎帝神農氏は姜姓。」と記述している。また、この『神農五千年』の第一章「神農の神話伝説」(楠山春樹著)>「神農の伝記の諸相」>「姜姓のいわれ」P71に、
 「姜、神農は姜水に居る、因りて以て姓と為す」
という『説文』の文を引用し、
 ”姜姓のいわれは姜水という地名にある。姜水とは、陝西省岐山県(西安の西部)を流れる川である。云々
と述べている。

 なお、「姜」の字源については、藤堂明保『学研・漢和大字典』に、

「女+音符羊」の会意形声文字。太古の西北中国で羊を放牧していた民族が羊に因む姓をつけたものであろう。周代のはじめ、この一族の頭領であった太公望呂尚山東の斉に封ぜられた。」

と説明している。
 韓国の姜姓のことなどについては、またいずれ書くつもり。