『ウェブ進化論』を読む

heisai2006-08-15

 チケットピアに勤めているミキちゃんが教えてくれたので、この本を買ってきて数日前から読んでいる。(本書の副題は「―本当の大変化はこれから始まる―」・梅田望夫著・ちくま新書・2006.2.10刊)
     (ところで、先日は新歌舞伎座藤山直美特別公演」のご招待をありがとう)
 私は元々遅読なところへもってきて(なぜ遅読かというと、読んでいる最中に、何かの語句に意識が引っ掛かって、その連想でほかのことをズーーッと考え出してしまう悪い癖があって、読書がスムースに前へ進まないのである。真剣に意識を集中するようにしないといけない)、この本の場合は特に私の大の苦手であるカタカナ語が機関銃の弾のように大量に出てくるので大いに難儀をした。

 そういう訳で、苦労はしたけれども、お蔭で大体の感じは掴めたように思う。
 この本は、グーグル・アマゾン・ウィキペディア・㈱はてな のことを大いにほめて書いている。
◑ グーグル
 私は、パソコンを始めた当初、多くの検索エンジンをざっと比較してみてグーグルが最も勝れているように感じたので、自分もそれを選択し、人にも勧めているが、この本を読んでグーグルの勝れている理由がよく分かった。
「増殖する地球上の厖大な情報をすべて整理し尽す」(序章―P14)
・「世界政府というものが仮にあるとして、そこで開発しなければならないはずのシステムは全部グーグルで作ろう」(第2章―P50)
これがグーグルの起業以来の理念なのだそうだ。
 著者はグーグルとヤフーの基本的理念の相違を次のように表現している。「ヤフーはメディア企業、グーグルはテクノロジー志向。グーグルの方がすべてを自動化することへの信念・情熱がより深い」(第2章―P92〜94)
◑ ウェブ世界の時代区分
・ 1995〜  Web 1.0 の時代(=第1期)
・ 2005〜  Web 2.0 の時代(=第2期)
         2005.6.29グーグル・マップスのAPI公開(第3章―P124)。2005.11アマゾン.コムが「なか見!検索」サービスを日本でも開始。(同―P104)など
                    
◑ 2005からの次の10年への三大潮流(インターネット・チープ[Cheap=安価]革命・オープンソース)が相乗効果を起こし、ネット世界は次のような新しいルール「三大法則」に基づく発展を始めた。
第1法則:神の視点からの世界理解
第2法則:ネット上に作った人間の分身がカネを稼いでくれる新しい経済圏
第3法則:(≒無限大)×(≒ゼロ)=Something、あるいは、消えて失われていったはずの価値の集積
などの記述がある。(第1章―P34)

◑ ウェブ進化の方向を、「発想のあり方(ネットのこちら側・あちら側)」をよこ軸、「不特定多数無限大への信頼の有無」をたて軸として4象限で表すと(本書では図示)、
第1象限:Web 2.0
第2象限:リナックス
第3象限:大組織の情報システム
第4象限:ヤフージャパン・楽天
グーグルは第1象限と第4象限の中間に位置している、みたいなことが述べられている。(第6章―P223)
こんな要約では何のことか分からないが、これはメモであるから・・・。

◑ 第4章「ブログと総表現社会」は、グーグルのような検索エンジンの進化によってもたらされた。
◑ 第5章「オープンソース現象とマス・コラボレーション[=大衆・共同制作]」『ネットで信頼に足る百科事典は作れるか』ではウィキペディアを、不特定多数無限大の知の集積の可能性の興味深い実験 と評価している。
 
 なお、本書の著者は2005.3から、このブログの運営者である㈱はてな(創業者・社長 近藤淳也氏 1975生まれ?)の非常勤の取締役になった、と書かれている。(終章)
 その点でこの著者に対して少しばかり親しみを感じると同時に、私がブログを始めてみようとするにあたって、ある偶然のきっかけからこのはてなダイアリーを選択したことはベストだったのかな?と多少うれしくも思った。