『名言随筆サラリーマン』の別バージョン 

heisai2006-06-14

司馬遼太郎が本名の福田定一(さだいち、ていいち)の名で出した最初にして最後、唯一の単行本がこの『名言随筆 サラリーマン』である。
 小説ではなく、題名のとおり、随筆=46章の短文を1冊の新書版に収めたもの。(昭和30年・六月社書房刊)
 その版元が会社の整理をしたころ(30年ほど前?)は雑本扱いで、ある古本屋さんの倉庫にごろごろしていたような話を聞いた記憶があるが、それも永い間にはもちろん払底し、いまは明治時代の金貨ほどの希少価値、というより日本中に何冊かしか存在しないのではないだろうか?(もちろん正確なことは分からない)
 今春、大阪古書会館で行われた【谷沢永一先生講演会】の講演の中でその本の話が出た。
 そのとき先生は『サラリーマン論語』とか言われた。
 論語?・・・そんな題名だったかな?と私はちょっと腑に落ちなかった。
 ところが、その同じ月、偶然その「−−−論語」を私が入手する巡りあわせになった。
その題名は『ビジネスエリートの新論語』(副題―サラリーマンの原型を侍に求める―)。
実物の奥付によれば、「昭和47年3月20日 新装普及版 ㈱六月社書房」の発行となっている。むろん著者名は「福田定一」である。(写真右。左は元版、ただしコピー本、本来のカバーは白色だったと思う)


続きはまたあした書く。