牛頭山・牛頭天王についての疑問(続き)

[神仏]牛頭山・牛頭天王についての疑問(続き)

祇園祭 郭巨山公式ホームページ」>お祭りの概要>3.牛頭天王(ごずてんのう)
の解説文は大体よくできているようだ(と私は思う)。


 「摩羅耶山という牛の頭に似た山から出る栴檀(せんだん)が熱病に効くのでこの栴檀を牛頭と呼び、山を牛頭山と称し、鎮座する神様を牛頭天王とする防疫信仰が生まれた。

 蔵王陀羅尼経(ざおうだらにきょう)には「癘鬼(れいき)を縛撃(ばくげき)し、疫難(えきなん)を禳除(じょうじょ)す」とあり、神道集では牛頭天王は天刑星、武塔天神、天道神とされ、天刑星は道教の神で疫神をとってくうとされる。(※注1)

 一方、北天竺の大王は黄牛の顔で鋭い角があり牛頭天王といわれ、南海の龍王の第三王女を妻にせよ、との天示により旅に出たところ、南天竺の巨旦(こたん)大王の国で一夜の宿を乞うたが断られ、奴婢の娘に教えられた蘇民将来のところへ行くと、貧しいながらも精一杯のもてなしを受けた。無事、龍宮に着き、妻を娶り、八王子を得た牛頭天王巨旦大王を滅ぼしに行き、蘇民将来に「自分は行疫神となるが蘇民将来の子孫には害を与えない」と約束して防疫の方法を教えた、という行疫の伝説もある」

※注1平斎云:[蔵王陀羅尼経には]は誤り。『牛頭天王暦神弁』に[天野信景の牛頭天王弁といふ物に、出「仏説秘密心点如意蔵王陀羅尼経」凡天王有十種反身。・・・・・「天刑星秘密儀軌」有牛頭天王縛撃癘鬼禳除疫難之事、と云り。然れど此は共に一切経蔵に載せざれば偽経なるに・・・]と出ている。
(↓写真は平田篤胤牛頭天王暦神辯』)

 上記に対して、
「八坂神社」の公式サイト>八坂神社と祇園神牛頭天王
の解説文は次の通りである。

 「祇園の神である素戔嗚尊は、インドの釈迦の生誕地に因む祇園精舎の守護神であるゴヅテンノウ(牛頭天王)ともされていました。
 牛頭天王という名は、新羅に牛頭山という山があり、熱病に効果のある栴檀(センダン)を産したところから、この山の名を冠した神と同一視されました。
 それというのも、素戔嗚尊は、新羅の曽尸茂利(ソシモリ)という地に居たとする所伝も『日本書紀』に記されていまして、「ソシモリ」は「ソシマリ」「ソモリ」ともいう韓国語で、牛頭または牛首を意味し、韓国には各地に牛頭山という名の山や牛頭の名の付や島がある由です。
 さらにインドの密教陰陽道の信仰とも混じりあって、神仏習合の形で祇園信仰が広まりました。
 つまり祇園の神といえばわが国固有の神道と、インドに成立した仏教と、中国の道教等の習合によって生み出された、まことに国際的な神さまなのです」
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 前回のブログhttp://d.hatena.ne.jp/heisai/20080507にも書いたが、「八坂神社」
の見解では、なぜか「摩羅耶山の牛頭栴檀」ではなく「新羅の牛頭山に産する栴檀ということになっている。→[牛頭山・牛頭天王についての疑問(続々)]を参照
http://d.hatena.ne.jp/heisai/20080513
 山鉾の公式サイトと神社の公式サイト、果たしてどちらに軍配が上がるでしょうか?。
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◎[神仏]牛頭馬頭の梵名は? ↓
http://d.hatena.ne.jp/heisai/20080423